遥か

朝から降りだした雨で
灰色に濡れた道
昼間とは思えないほどの雲
寒さで震える指を
曇ったバスの窓に載せた

そういや
今朝見た夢にも出てきたっけな
何年も前の話だけど
たったヒトリ忘れられない人
君の名前 目の前になぞってた

煌びやかな夜景の見える観覧車
公園のベンチでさえも特別に見える
「まるで魔法だ」聞こえはいいけど
未練の残った消せないデータの一部に過ぎない

あの日はそう確か
太陽が眩しく輝く日だった
別れを告げたのは君ではなくて
夢を追いかけすぎた僕の心

今更何をすることもできず
無限の彼方にもがくだけ
希望は持つだけ無駄だと
気づくのは何時になるだろうか

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